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2009年6月28日 (日)

あたたかい空間

このところ、両親を連れて出歩くことが増えてます。年寄りの心と身体の揺さぶり作戦~~。二人で、大呆け&小呆けで暮らしている毎日は、きっと一日中何もできないで、ぼーっとしてるだけ。もうほとんど何もできなくなっちゃいました。仕方ない。。。

正直、外に出て、とぼ、とぼ、とぼ、とぼの歩みについて歩くのは大変。それに二人の歩く早さが違うから、私は前に行ったり後ろに行ったり・・・・・ちょっとーー、ねーねー、二人は仲良く並んで歩いてなかったの??って言いたいです、ほんとに

でもね、このところ凄くいい時間を貰ってるような気がするんです。お陰で、たくさんの人の温かさに触れる事が多くて、私の心まで豊かになっているみたい。

実はね、この間こんな事がありました♪

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花菖蒲を見に、北鎌倉へ行った日のこと。東慶寺の花も綺麗だったけど、花より団子の傾向がだんだん強くなっている父。

「お昼はどこで食べる?」「ふふ、お父さんは勿論松ヶ岡でしょ?空いてるかしらね?」

茶寮・松ヶ岡は東慶寺のすぐ左隣、いつも予約で満席。北鎌倉に到着するなり、いち早く尋ねたので、運よく一席空いていました。よかったー。

「土間の席だけど、いい?」 父に尋ねると、嬉しそうに、「どこでもいい。おお、久し振りだぁ!」

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東慶寺も頑張って歩き、さあ、ちょうどいい感じでお昼。美味しいお昼が楽しみだわ。

それが、それが、ガラガラっと、引き戸をあけて入るなり・・・実は、びっくり!後ろで、父が右手を軽く上げ、大きな声で、「広島の田中です!」あへ~~ ここは、父が大好きなお店で、鎌倉へ来るときはいつも来ていたお店。きっといつもこう言って、お店を訪れていたんでしょうね。もちろん、広島からだったから、そんなに多くの回数ではないですし、お店の方が知る由も無い。

でも、きっとここに来て、記憶が戻り、嬉しくなったんだと思います。私はとっさに、「おとうさん、名前はいいから~~」なんて、言っちゃいましたがね。。。名前だけでなく、あと色々訳わかんなくなっちゃうからね。それもいいんだけど、お店の方が戸惑うからね。

「父は、広島から、よくきてたもので・・・」 「そうなんですか、ありがとうございます。」と、にこやかに対応してくださる女性スタッフの方。

茶寮・松ヶ岡は、縁切り寺である東慶寺へ駆け込む手続きをしたという役所があった跡地にあるお店。私の北鎌倉おすすめNO1のお店。そんなに量は食べられない、いいものが少しあればという方にばっちりのお店です。3600円のコースのみ。でも、来る度思わず惚れちゃう美味しさなんです。

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一つ、一つ、手がかけられています。この日は鯵(アジ)にびっくり。ホントはね、なんだー、アジかーって思ったんです!ちょっとがっかり、ここでまで鯵かーーなんてね。それがね、ホントにびっくりしたんです!鯵にびっくりするとは、思わなかった!!!開いてあって、間に、大葉が混ぜてあるすり身が挟んであったの。それがね、一口食べるなり、柔らか~~~~い。生まれてこのかた、何千匹という鯵を食べたでしょうが、これがナンバーワンじゃ~~~~!!!!笑 

思わず言っちゃいました!「美味しいですね~~!!」「地元の小坪の鯵なんですよ。美味しいですよね。」 そうなんですかーー。小坪(三浦半島、逗子の近く)の鯵ってこんなに美味しかったのね~~

でも、それだけじゃないんですよね、心がこもってる。。。すべてのお料理に心がこもってる。久し振りに堪能させていただきました。

デザートの白玉小豆も美味しく頂いて、

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帰ろうとしていると、スタッフの方が

「すみません、主人がご挨拶したいのですが、今調理に忙しくて・・・すぐに、参りますので・・・」 ええー、そんな、とんでもないです。

お会計を済ませて、お店を出ようとしていると、本当にご主人が挨拶に出て来てくださったのです。きっとスタッフの方が、父の事を伝えてくださったのですね。素敵な女性オーナーの方でした。父が昔よく来ていたことを伝え、また来られ嬉しいことをお話しました。

「まだ広島にお住まいですか?」

「いいえ、今はもう年をとったので、私の近くに・・・」と言った途端、「じゃー、持って帰って頂けるわ。あの、昆布を持ってきて~」と、スタッフの方に。

なんて、さりげない優しいことがとっさにできる方なんでしょう~

広島の田中さんなんて、お得意さんの一人にもならない存在でしょうに。もしかしたら、もう二度と来られないかもしれないお年寄りなのに。。。 

嬉しい気持ちでいっぱいになりました。ありがとうございました。

人の気持ちの優しさはやっぱり最高です。

「また、来させていただきます♪ありがとうございました♪」

私がお礼のご挨拶をしたその横で、

父が突然、とてつもない大きな声で、まるで幼稚園の子どものように手を振り、

「ばい、ばーーい!!!」

「OH,NO--!!」

瞬間そう思ったけれど、すぐに打ち消しました。

父の顔が満面の笑みだったから・・・・・

それに、対する女性オーナーの顔の優しかったのも印象的だった・・・

ありがとう。

胸までこみ上げた涙をぐいと飲み込んで、次の浄智寺へと向かったのでした。

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かまくら楽食日記による松ヶ岡紹介の記事↓

http://kamakura.cocolog-nifty.com/raku/2007/12/post_dcdd.html

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この頃、よく思うのです。

外を歩いているお年寄りを見ない。元気に歩いているお年寄りはいますよ。そうじゃなくて、ぎりぎりだけど頑張ってるって感じのお年寄り。シンガポールでは、よく見ました。家族が総出で食事の風景。そこには、必ずお年寄りがいました。その光景が日本には無いです。寂しいな。。。

日本のお年寄りは、家に閉じこもっているの? ホームにいるの?そんな人ばかりじゃないでしょうが、本当にいないのです。とぼとぼのお年寄り。もしかしたら、うちの両親がとぼとぼなだけ??

不思議に思ってます。

ぱぱさんが、言いました。本当にそう言われたらそうだな。そのうち、あのふたりこの辺りの名物になるかもね・・・なに言ってるんじゃ~~と、思ったけれど、

あはー、でも、そうなれば皆にどこかで気にしてもらって、支えてもらえるかもね・・・笑

では

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コメント

とっても素敵なお話、おすそ分けしていただいてありがとうございました。心がポッと温かくなりました。私、こういうお話を伺うの大好きなんです。なにせ小学生のときから暮らしの手帳の「素敵なあなたに」の大ファンなもので(笑)。

シンガポールは弱者に対して決して優しい国ではないと思うのですが、そういわれてみると街中でよくお年寄りを見かけますよね。混雑しているお店やスーパーの中でも車椅子のお年寄りをよく見かけますし、朝晩の涼しい時間に車椅子で外をお散歩されている方もよくお見かけします。国民性もあるのでしょうが、メイドさんの存在が大きいのかなと思ったこともあります。物理的なお世話をメイドさんという第3者にお願いできることから生まれる精神的な余裕が要因なのかもしれませんね。

投稿: hisae | 2009年6月28日 (日) 21時40分

hisaeさん

こんにちは!
暮らしの手帳~懐かしい!最近はよんでないなぁ。
数年前にBOOK OFFで「素敵なあなたに」の単行本が100円で売ってて、お得~!と思い買って読みました。
いいですよね。

そうですね、シンガポールはメイドさんがいるし、外で食べることが日常の様ですものね。
もっと、西欧の方が、お年寄りには住みやすい社会かも…
お年寄りに優しい社会であって、欲しいですね。
日本中がお年寄りで溢れる時代も近いのに、日本はちょっと大変そうだなー。

投稿: まゆり | 2009年6月29日 (月) 08時25分

先生お久しぶりです
いつもお邪魔していますが、コメは初めてです
すてきなお話、ありがとうございます
気持ちが温かくなって
今日はいい日になりそうです

投稿: Michiko | 2009年6月29日 (月) 10時12分

Michikoさん

こんにちは!
ブログがメンテナンス中で、お返事が遅くなりました。
お元気ですか?
自分の親のことを書くのは、ちょっと恥ずかしいのですが、
心がほくっとして頂けたなら、嬉しいです!

帰国の際には連絡くださいね。

投稿: まゆり | 2009年7月 1日 (水) 06時15分

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